釜山国際映画祭に遊びに行ってきました。
韓国と日本に時差はないですが、夜まで熱い映画祭と日常との時差にボケています。
一番の目的は撮影で参加した中山美穂主演チョンジェウン監督作品「蝶の眠り」ガラプレゼンテーションという部門での上映に立ち会うこと。
この部門、映画祭の中でも目玉的な部門で、同部門には行定勲監督「ナラタージュ」やダーレンアロノフスキー監督「Mother!」ジョンウー監督「Manhunt」是枝裕和監督「三度目の殺人」と豪華ラインナップ。
ともすれば、上映会場も素晴らしく、840人を収容できるハヌル劇場という大きな会場。BIFF(釜山国際映画祭)のオープニングセレモニーなどでよく目にする「映画の殿堂」と呼ばれるスケールの大きなあの建物の中にあります。
到着初日はまずは街に出てスタッフや他の作品で訪韓している友人と合流し釜山の食を堪能。海鮮焼きと刺身を食す。良き。
2日目、朝方まで釜山を堪能したので午前中はお休み。午後から韓国の友人がやっている小さなテレビ番組にスタッフみんなで出演。小芝居を打つ。
そのあと映写チェック。座席は1階から3階まであって映画専門の劇場というよりは、芝居なども行われているような印象。そのせいか上映環境としてはあまり良くなかった。黒の再現性と言ったら良いのか、コントラストがゆるく色の発色も良くない印象。DCP対応のせいか映像の調整はできずサウンドレベルだけ調整して渋々上映チェックを終える。一番お客さんも入るし監督や美穂さんも登壇するという今回の主要な上映会場だったので、ここは結構残念。ぜひとも改善して欲しい。
気を取り直して上映開始。840席のチケットは全席完売。自分も一緒に鑑賞。「映画の殿堂」で800人を超えるお客さんと一緒に、自分が撮影から仕上げまで関わった作品を観るのは、素直にとても感動しました。また、韓国のお客さんは日本のお客さんに比べるとリアクションも大きく、共体験として非常に楽しかったです。
上映が終わりGV(GuestVisit)と呼ばれる舞台挨拶のようなものへ。その中でお客さんからの質疑に監督と美穂さんが答えるというコーナーで毎質問と言っても過言ではないくらい枕詞のように「ラブレターが好きです!」という言葉が入り、韓国での中山美穂さん、そして岩井俊二監督の「ラブレター」の人気を思い知る。そして質疑も積極的に多数の方から起こり、かなり深い映画の見方をされている質問も。作品に対しても好感触な感想をたくさんいただけました。
GVも終わり会場を出てみると、映像に対しても好評価の声をいただき、一安心。上映環境により細かいことをいうと映像としては自分の意図とは少し違ってしまったものの「柔らかく暗くなりすぎず良かった」という意見もあり、この作品の持っているテーマのひとつ「偶然の中にも何かきっと意味はあるはず」ということを考える。
外に出るとすっかり暗く、空を見上げると「映画の殿堂」が色めきだっていた。
この日は作品メンバーみんなで夕食。プルコギを食しました。普段辛いものは苦手なんだけど、キムチやらなんやら美味しく食べれてびっくり。
キャストチームはこの日で帰国ということで、監督から翌日の韓国のスクリーンとしては一番大きいとされる劇場での上映で、一人での舞台挨拶は寂しいから一緒に登壇してほしいとの要請を受ける…緊張して酒が進まなくなる……つづく…